バス運転手における職務疲労と精神障害の関連性

松江出張所便り

2024/2/3

はじめに 2016年、精神障害と嗜癖性障害は世界中で10億人以上が罹患し、全疾患の世界的負担の7%、全障害調整生存年(DALY)の19%を占めています。DALYのうち、うつ病と不安障害の有病率は、男性10万人当たりでそれぞれ469人と271人でした。運輸労働者では、男性におけるうつ病の有病率は、システマティックレビューで2.5%から13.3%でした。運輸労働者、特にバス運転手のメンタルヘルスは、他の労働者よりも高い影響を及ぼす可能性があります。バス運転手の精神疾患は、運転に影響を及ぼすだけでなく、乗客や公共物に危険を及ぼす可能性もあります。
業務上の疲労とストレスは、職業ドライバーの精神疾患発症の原因として最も一般的に言及されていますが、情報と方法論の相違が、どちらかの寄与に関する明確な結論を妨げています。心理社会的仕事要因とうつ病との関連については、多くの研究証拠があります。これらの要因のうち、仕事上のストレス(高い仕事上の要求と低い仕事上のコントロールの組み合わせとして定義される)は、うつ病に大きな影響を及ぼすことが分かっています。
しかし、過去の研究は、特定の職場ではなく、一般的なスクリーニング後の混合職場に焦点を当てたものが多く、長期的な追跡調査のための詳細な就労特性や要因に関する情報が不足しています。これらの先行研究では、(i)職場特性に関する情報が不足していること、(ii)過去のうつ病を完全にコントロールできないこと、(iii)様々な圧力源の測定が基準年のみであり、全勤務期間にわたる曝露を測定できないこと、(iv)労働者の中には離職や転職をした者もいること、など様々な研究上の限界が指摘されています。

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