「台湾の妊婦における中成薬の処方パターンと使用に影響する要因:集団ベースの後方視的研究」
【概要】
【背景】中成薬(CHM)の使用は、妊娠中の病気を治療する自然で安全な方法として広く普及している。しかし、その処方パターンや使用に影響を及ぼす要因はほとんど不明である。そこで我々は、これらの疑問を解決するために集団ベースの研究を実施した。
【方法】2001年から2011年にかけて、台湾の国民健康保険研究データベースから18~50歳の妊婦を抽出した。CHM処方と診断記録が収集された。CHM使用者と非使用者の間で人口統計学的データと既往症を比較した。多変量ロジスティック回帰分析を行い、妊娠中のCHM使用に影響を及ぼす可能性のある因子を同定した。
【結果】合計81,873件の処方記録が確認され、16,553人の妊婦が妊娠中にCHMを処方されており、CHM処方率は20.2%であった。最も頻用された3種類の生薬は、黄芩(4.4%)、杜仲(2.5%)、白朮(2.4%)であった。最も使用頻度の高い漢方処方は、当帰芍薬散(4.1%)、加味逍遙散(3.5%)、香砂六君子湯(2.6%)であった。多変量ロジスティック回帰により、年齢が高い、大学教育を受けている、妊娠前のCHM使用歴がある、喘息、慢性腎疾患、心臓弁膜症がある、台湾北部以外の居住地域に住んでいる被験者は、妊娠中のCHM使用の調整オッズ比が増加することが明らかになった。
【結論】この集団ベースの研究において、人口統計学的因子および持病が妊婦のCHM使用と関連していることがわかった。益母草と少腹駆瘀湯は、妊娠初期には慎重に使用すべきであることは注目に値する。妊婦におけるCHMの使用の安全性と有効性を探るために、さらなる研究が必要である。
キーワード 代替医療;中成薬;周産期;周産期;妊婦;中薬
Prescription patterns and factors influencing the use of Chinese herbal medicine among pregnant women in Taiwan: a population-based retrospective study