小児喘息患者におけるアセトアミノフェンとイブプロフェンの急性増悪リスク

2023/12/16

「小児喘息患者におけるアセトアミノフェンとイブプロフェンの急性増悪リスク」
【背景】解熱鎮痛薬は小児科診療において広く処方されている。アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬が喘息増悪を引き起こし、喘息コントロールに悪影響を及ぼす可能性について言及した報告もある。しかし、多くの交絡因子がリスクに影響する可能性もある。われわれは、アセトアミノフェンまたはイブプロフェンの使用が、喘息児、特に強い危険因子を有する小児の喘息増悪に及ぼす影響を評価した。【方法】2010年台湾国民健康保険研究データベースを使用し、1~5歳の持続性喘息の小児983人を同定した。そのうち、2010年にアセトアミノフェン単独を使用したのは591人、イブプロフェン単独を使用したのは392人であった。そして、前年度に重篤な喘息増悪を発症した患者と発症しなかった患者の52週間にわたる喘息増悪リスクを分析した。【結果】イブプロフェン群では、喘息増悪による救急室受診または入院のリスクが高かった(オッズ比(OR)=2.10、95%信頼区間(CI)[1.17-3.76]、P=0.01)。前年度に重症の喘息増悪を発症した喘息児では、喘息増悪リスクはアセトアミノフェン群よりもイブプロフェン群の方が高かった(OR=3.28、95%CI[1.30-8.29]、P=0.01)が、発症しなかった喘息児では、喘息増悪リスクはアセトアミノフェン群とイブプロフェン群で同程度であった(OR=1.52、95%CI[0.71-3.25]、P=0.28)。
【結論】年少の喘息児において、イブプロフェンの使用は、アセトアミノフェンよりも、過去1年間に救急室受診または入院を伴う重篤な喘息増悪があった場合の喘息増悪リスクが高いことと関連していた。小児科医は、リスクを十分に評価した上で、喘息児に解熱剤を使用すべきである。【キーワード】NHIRD、喘息、急性増悪、イブプロフェン、アセトアミノフェン、台湾

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