がん手術後の高齢者における抑肝散による興奮を伴うせん妄の予防について
【目的】高齢者においては、術後の興奮を伴うせん妄の予防が重要である。我々は、高侵襲性がん切除術を受けた高齢者の術後興奮性せん妄に対する抑肝散の予防効果を検討した。
【方法】過去の臨床試験で得られた149名の患者データの二次的なper-protocol解析を実施した。患者は術前4-8日に予定された抑肝散またはプラセボ介入を受け、術後にせん妄の評価を受けた。75歳以上の患者の興奮を伴うせん妄は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th Editionおよび日本語版Delirium Rating Scale-Revised-98を使用して評価された。全年齢患者(n=149)および65歳以上(n=82)、75歳以上(n=21)の術後興奮性せん妄の発現に対する抑肝散のプラセボに対するオッズ比をロジスティック回帰により評価した。