日本人におけるBMIと循環器・代謝系形質: メンデルランダム化研究

松江出張所便り

2024/6/8

はじめに 心血管疾患(CVD)のなかで、虚血性心疾患と脳卒中はどちらも世界の主要な死因です。虚血性心疾患は2019年の世界の総死亡者数の16%を占め、2000年(200万人以上)から2019年(890万人)にかけて最大の増加を示しています。また脳卒中は世界の総死亡者数の約11%を占めています[1]。
観察研究によって、CVDの最も顕著な危険因子は肥満とBMI高値であることが示されています[2]。これらは動脈硬化[3]の進展と関連しています。動脈硬化は、肥満に伴う脂質異常症[4]や2型糖尿病[4-6]、高血圧[4,7]、および腎機能障害[8]によって、炎症[12,13]を含む様々なメカニズム[9-11]を通して進展します。肥満者の炎症レベルは非肥満者の炎症レベルよりも高い傾向があります[14-16]。動脈硬化もまた慢性的な全身性炎症の状態です。
肥満では、脂肪組織が炎症性アディポカイン(例えば、TNF-α、IL-6、MCP-1、レジスチン、レプチン)を産生します[14,15,17]。これらが動脈硬化に直接関与するため、炎症は加速されます[16]。過去数十年間における世界的な肥満の急増に伴い[18]、肥満に起因する循環器・代謝系疾患は、現在進行中の公衆衛生上の大きな負担となっています。新型コロナウイルス感染症2019の大流行を背景に、肥満によるCVDは、身体活動の低下とますます座りがちなライフスタイルの採用により、より重大な問題となる可能性があります。

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